桜木星子の“宝塚×MAG”

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宝塚歌劇を「知って」「好きになって」「もっと楽しんで」いただくためのMagazine

娘役

6月 18日

男役の女役

男性オンリーの歌舞伎。
昼の部で『勧進帳』の義経を演じた人が、夜の部では『藤娘』を踊る……なんていうのもざら。
“立役”と“女形”と大きく分けられますが、それは「絶対」なものではありません。

しかし宝塚は、“男役”“娘役”が正式に決まっています。

決まってはいますが「ワタシは男役だけど、今回は女役をする」…はあります。
この場合は“娘役”と呼ぶより“女役”の方が合うでしょう。


男役が女性の役を演じる代表格は『ベルサイユのばら』のオスカル。オスカル様、男装の麗人ですもの。これはもう男役のもの。『紫子』の紫子も同パターン。

それから『風と共に去りぬ』のスカーレットも男役が演じることが多いですね。キリリとした女性像が男役に合うのでしょう。

異例なところでは『エリザベート』のエリザベートを、元月組トップスター・瀬奈じゅんさんや宙組の凪七瑠海さんが演じました。

現トップさんもこれまでに芝居で女役を演じています。
真飛 聖さん『雨に唄えば』のリナ・ラモント、霧矢大夢さん『ガイズ&ドールズ』のアデレイド、水 夏希さん『あさきゆめみし』の明石の上、大空祐飛さん『長い春の果てに』のフローレンス…などなど。

また、専科や上級生の男役さんが年配の女性の役…お母さんやおばあちゃん役を……もよくあるパターン。


芝居の役ではなく、ショーの一場面で、男役が女役を演じることは多々あります。
男役を大勢はべらせた“女を演じる男役”のシーンなんて素敵。

元娘役のワタクシとしましては「娘役さんの役を取らないで~」なんて思い、本物の娘役さんに大いに活躍していただきたいところですが、男役が演じる女役には、娘役とはまたひと味違う魅力があるのは悔しいかな納得。


では逆、娘役が男役を演じるのは、少年役ぐらいです。
『エリザベート』ルドルフの少年時代、『THE SCARLET PIMPERNEL』のルイ・シャルル…etc。
少年ではなく大人の男性の役は、ショーの中でのコメディータッチのものぐらいかな。

5月 25日

“男役”“娘役”の決め方

ご存知の通り、宝塚歌劇団は全員女性。ゆえに“男役”と“娘役”が存在します。
(*注 “女役”とは言いません。“娘役”。)

“男役”になるか“娘役”になるかは宝塚歌劇団が決めるのではなく、自分で決めます。

でも「こっちがやりたい!」という思いだけでは決められません。
どんなに男役になりたくても身長が低ければ無理だし、170cmもある人は娘役がやりたくてもなれません。
やはり身長が決め手。

ただ「男役は何cm以上、何cm以下は娘役」などという明確な基準はありません。
だいたい163~165cm辺りがボーダーラインかな。

ボーダーライン辺りの人は、声の高さや雰囲気、自分の希望や周囲の意見なども参考にして決めます。

“男役”になるか“娘役”になるかは、入団してからではなく、宝塚音楽学校時代に決めます。
なぜなら、歌の発生方法、芝居の所作、日舞の男舞と女舞など、習得するものが男役と娘役では違うからです。

ほとんどの人が身長によって入学時にすでに決まっているようなものですが、ボーダーライン辺りの人や、まだ身長が伸びるために決められない人もいます。
それでも、芸名を考える本科の夏頃までには正式に決めます。

プロフィール

桜木星子

元タカラジェンヌ&いち宝塚ファンの視点から宝塚歌劇の魅力をご紹介します。
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