先日、星組『ノバ・ボサ・ノバ』の配役が発表されました。

皆さんも想像していた通り、役替りが行われます。
夢乃聖夏さん、紅ゆずるさん、真風涼帆さんの3名で、“オーロ”“マール”“メール夫人”の3役。二番手格の“オーロ”が入っているとは、現・星組二番手の凰稀かなめさんが2月25日で宙組に組替え直後だからなのでしょう。
この役替りについては、1999年雪組版の組替えと比較してまたお話しするとして……

もう一つの、“マダムガード”の役替りに驚いた方も多いでしょうね。
スターさんや新人ならともかく、毬乃ゆいさん、花愛瑞穂さん、音花ゆりさんといったベテランの娘役さん3名による役替りとは、あまり例がありません。


話は反れますが……私が初めて『ノバ・ボサ・ノバ』を観たのは中学生の頃。安奈淳さんが“ソール”の1976年の花組版でした。
舞台の感動や衝撃と共に、配役にも驚いたものでした。

二番手の役は“オーロ”のはずなのに、花組二番手の松あきらさんは“ルーア神父”で…。
花組トップ娘役は上原まりさんなのに、ヒロインの“エストレーラ”は、男役の祐樹 叶さん(祐樹 叶さんは宝塚で退団。東京公演は美野真奈さん)。
男役の宝 純子さんが娘役をしてる…。明日香みやこさんも女役をしてる…。渋~い麻月鞠緒さんまでもが女役をしてる…。
生徒さんの顔や芸名、「二番手…三番手…」などの番手も覚えた頃の私には「?」だらけでした。
しかし再演物は、“今の○組”のために作る新作とは違うのですから、適材適所の配役をするには、多少番手に逆らうのも当たり前と言えるでしょう。
思えば『ノバ・ボサ・ノバ』では、毎回、柔軟な配役が行われていました。


しかし「柔軟な配役が行われている」=「娘役さんの分が悪い」というのを感じていました。
“シスター・マーマ”や“メール夫人”は、男役さんの役。
ブリーザも、男役さんに付く場合が多い。
娘役は、“エストレーラ”、“マダムガード”、“マダムX”、少年役の“ボーロ”、“ラービオス”ぐらいで、後はひたすら群舞。

元娘役の端くれとしては、いつも思います。「もっと娘役さんに活躍の場ぉ~!」と。
なので今回の“マダムガード”の役替りには愛を感じました。

欲を言えば、“メール夫人”も娘役さんに回してあげて欲しいわ。“ピエロ”だって、娘役さんが入ってもいいじゃない?なんてね。


さてさて「役替り」「八百屋舞台」「黒塗り」など、『ノバ・ボサ・ノバ』ではお話したいことがたくさん。それはまた後日に。



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