普通、劇団に所属する人のことを“劇団員”“団員”なんて呼びますが、宝塚歌劇団では“生徒”と呼びます。
お給料も貰うプロの舞台人なのに、ナゼ生徒?
宝塚歌劇団創設者の小林一三翁が宝塚音楽歌劇学校(現・宝塚音楽学校)の校長だった頃の生徒募集要項にこう書かれています。
「本校生徒は又宝塚少女歌劇団の一員として本校に於て修得したる所を実習発表し得。」
“学校の延長に劇団”“学校と劇団は一体化”。だからプロの舞台人となっても“常に勉強”するべく“生徒”と呼ぶようになったのです。
ファンの方々は“生徒”と呼びますが、一般的には“タカラジェンヌ”と呼ばれますよね。
この“タカラジェンヌ”という呼び方は、パリジェンヌ(パリの娘)をもじって。
命名したのは、『パリゼット』『花詩集』『虞美人』などを作った演出家・白井鐵造先生です。
『たからじぇんぬ」(1937年)、『タカラジェンヌに栄光あれ」(1963年)、『タカラジェンヌに乾杯!』(1967年)、『フォリー・タカラジェンヌ』(1970年)なんていう作品もあるほど、“タカラジェンヌ”という呼び方は浸透していますが、生徒自身は自分のことを「タカラジェンヌです!」とはあまり言いませんね。
「宝塚歌劇団の生徒です!」がしっくりきます。