舞台上の、上がったり下がったりする部分、それがセリです。
セリが上がる時は「セリ上がり」、下がる時を「セリ下がり」と言います。
それぞれ「○号ゼリ」と呼ばれています。

舞台中央の盆の中に、舞台手前から1号、2号、3号、4号の4つのセリがあります。。
1番大きいのが3号ゼリ。高さも最高4mまで上がります。
また2号ゼリは3分割できます。

花道の付け根に、上手に7号、下手に8号があります。
よくスターさん登場!の際に使うセリです。
ここだけ、歌舞伎と同様に「すっぽん」と呼ぶ場合もあります。

また本舞台上手前に5号、下手前に6号がありますが、今は使っていないようです。


セリは、人を乗せるだけではありません。
大きなセリなど、中にセットを組み部屋に見立てたり、丘に見立てたり、道にしたり……。
さらに盆を回しながら使えば、色々な場面を作れる、転換ができる、とても使い勝手のよい舞台機構です。


下級生の頃、奈落で、セリ上がりする上級生のお手伝いをよくしました。
支度が終わりキッカケとなり、セリに乗り込み、「行ってらっしゃ~い!」と私たち。
「行ってきます」と上級生。
セリが少しずつ上がるにつれ、“上級生の○○さん”の顔がぐっと引き締まり、“スター○○さん”の顔に変化します。

やがて1番明るいスポットライトの中、2000人の観客の熱い視線が待っている…

セリは、スターさんを、さらにスターにするアイテムかな。