すみれコードとは……
「宝塚歌劇にはふさわしくない」という理由で、使用してはいけないセリフや歌詞などの基準のこと。

あまりにも下品であったり暴力的な言葉はNG。
過激なラブシーンもNG。
あくまでも美しく。夢を見せる世界だから。

きわどい台詞や、妖しいデュエットダンスなどがあったりすると「あれ、すみれコードギリギリだよね~」なんて言います。

差別的なものを匂わす言葉もNG。
昭和に初演された名作『ノバ・ボサ・ノバ』の歌詞の一部分が、平成になってから変えられたのもそれが理由。
ただこれに関しては想います。
あまりにも「この言葉も差別だ!」と言ってしまうと、文化や芸術なんて作れないのでは…?とね。


すみれコードは生徒さんたち自身にも。

代表的なのが本名や年齢。
カッコイイ男役さんの本名がとっても女の子らしくて可愛かったりすると、イメージ変わっちゃうじゃないですか。
年齢も「えっ…? 私よりも……?」なんて想像するとなんだか現実的。

でもファンの人はだいたい知っています。
中卒なのか高卒なのか何年で高校中退なのか…それさえわかれば、年齢も計算できちゃいますし、宝塚音楽学校の卒業前の文化祭のパンフレットには本名が紹介されています。

元花組トップスター・春野寿美礼さん、コンサート『I GOT MUSIC』での役名は、ずばり本名だったっけ。

つまり、色々な表現を出すために、少々ゆるい状態ですみれコードは存在しているわけです。
また、ゆるくても存在しているから、宝塚歌劇のイメージを壊さずにいられるのでしょう。

ファンの人も「夢のように美しい舞台」だけではなく、時にはすみれコードギリギリのダンスシーンとか、観たかったりしません?