桜木星子の“宝塚×MAG”

桜木星子の“宝塚×MAG”

宝塚歌劇を「知って」「好きになって」「もっと楽しんで」いただくためのMagazine

宝塚ビギナー

3月 14日

役替り公演

役替りとは、一つの役を、何名かで交替に演じること。ミュージカル界では“ダブル・キャスト”“トリプル・キャスト”と呼ばれています。

今年の宝塚、この役替りがとても多い!

雪組『ロミオとジュリエット』まず、現在東京で上演中の雪組『ロミオとジュリエット』では、ヒロインの“ジュリエット”を、舞羽美海さんと夢華あみさんが。

星組の『ノバ・ボサ・ノバ』では、“オーロ”“マール”“メール夫人”の3役を、夢乃聖夏さんと紅ゆずるさんと真風涼帆さんの3名で。“マダムガード”を、毬乃ゆいさんと花愛瑞穂さんと音花ゆりさんの3名で。

花組の『ファントム』では、“シャンドン伯爵”“アラン・ショレ”“セルジョ”の3役を、愛音羽麗さんと華形ひかるさん朝夏まなとさんの3名で。

その中でも『ノバ・ボサ・ノバ』と『ファントム』の男役スターさんの「3名で3役」の役替りに注目してみましょう。

どれもが大きな3役。
しかし、お稽古期間が3倍になるわけではありません。
一ヶ月余りの間に、3役を覚え、こなすということは、かなりの集中力とエネルギーが必要。
星組『ノバ・ボサ・ノバ』なんて二本立ての内の一本なので、もう一本のお芝居の稽古もありますしね。

初日の幕が開いても、次の役の稽古。
演技のみだけではなく、役が変われば化粧も変わるし、早替りの段取りも変わるし…
「慣れてきた…」と思った頃に、また新しいことを馴染ませなければなりません。

役替りによる苦労は本人だけではなく、絡む共演者たちにとっても関係してきます。
相手が違えば、芝居も“間”も違ってきます。
それは衣装部さんやオーケストラなど現場のスタッフも同じで、つまりは関わる人すべてが大変。

でも、その苦労が、観客を楽しませる「役替り公演」を作ります。
観客にとっての役替りの醍醐味は、いく通りもの配役で楽しめること。
「このバージョンでも観てみたい」と、何度も劇場に足を運びたくなるものです。

そして何より役替りする生徒さんにとっては、ひと公演で3役も演じられる……。
こんなに貴重な体験はないでしょう。

2月 18日

宝塚音楽学校の文化祭

タカラジェンヌになるための養成学校、宝塚音楽学校
その宝塚音楽学校の文化祭が、2月19日(土)、20日(日)、宝塚バウホールにて行われます。

学校の文化祭と言えども、2年間の成果を見せるための立派な公演。
チケットも発売され、生徒のご家族やファンで劇場は満員。毎年即完売の状況です。

なお文化祭はあくまでも本科生が主体。予科生は“合唱2曲”などでの出演となります。


舞台の内容は、芝居やショー形式に構成されます。
これが盛りだくさんのステージ!
だって“踊る”…ひとつとっても、クラシックバレエ、モダンダンス、タップダンス、ジャズダンス、日本舞踊といくつもあるのですから。
「わずか2年間でこれだけのことを……」と感心します。

配役は「歌の成績のいい子はソロで一曲歌う」「芝居のできる子は台詞が多く…」など、成績を重視して決められています。
しかし、決して限られた生徒だけではなく、全員に台詞を振り分けたりと、誰もに見せ場のある公演となっていて、そこが学校の卒業公演らしいところです。

文化祭の構成・演出・指導は、音楽学校の講師はもちろん、講師をやっている歌劇団のスタッフも参加し、例年、12月頃から文化祭の稽古が始まり、通常の授業も文化祭の稽古へと変わります。
稽古が進む中、本科生たちは舞台化粧の練習をしたり、劇団に行って衣装合わせをしたり…。
忙しくも、ワクワクする日々…。


さて、宝塚ファンにとって文化祭は、未来のスターを探す格好の場。
宝塚音楽学校生徒と言えども、今すぐ舞台で通用するほどのダンステクニックのある子もいれば、現役生徒顔負けの歌を披露する子も。
「あの子、スターになりそう!」…。そんなことを感じながら観劇するのも楽しいもので、この文化祭の時点で「○○ちゃんのファンになった!」という人も大勢いるはずです。


本科生にとって、宝塚バウホールという憧れの舞台に立ち、“男役”“娘役”として一般のお客様の前で芸を披露するのはこれが初めて。
また、プログラムには、宝塚歌劇団生徒としての芸名も掲載されるため、まだ宝塚音楽学校生徒の身ではあるけれど、タカラジェンヌになれた気分もしたりして…

そう。この文化祭が終れば、もうすぐ卒業。
そして、宝塚歌劇団に入団できるのです。


2月 14日

“ダルマ”の魅力

宝塚歌劇の魅力の一つ、それは衣装。
豪華なもの、宝塚特有のものなど、たくさんの衣装が観客の目を楽しませてきました。

そんな衣装の中に“ダルマ”と呼ばれるものがあります。

これは、ワンピース型の水着のようなデザインをしている衣装。
なぜ“ダルマ”と呼ばれているのかと言うと、手と足が付いていない達磨を例えて。

腕も足も出ているため露出度はかなり高いと言えますが、そこはすみれコードのある宝塚。
目のやり場に困るようなものではありません。

羽根飾りやスカートが付いているものなど、ダルマにも色々なデザインがあります。
中には、ダルマを進化させた“タコ足ダルマ”と呼ばれる衣装も。
これは、裾にリボンのような紐が、タコの足のようにひらひらと付いているダルマのことです。


主にダルマが登場するのはショーやレビュー。
ラインダンスの衣装はほぼダルマで、40名ほどのダルマ姿は圧巻。
足をきれいに見せるためにも、ダルマは必需品です。


男役・娘役問わずダルマを着ますが、ファンに人気なのが意外にも男役のダルマ姿。
プライベートでもスカートを履かない男役の脚線美は、娘役にはない色気があるからでしょう。
羽根飾りの付いた黒のダルマに、黒の羽根鬘を被った男役なんてキレイですよね。

伝説として語られている男役のダルマ姿は、1961年『華麗なる千拍子』の寿美花代さん。
私も写真で拝見しただけですが、パイナップルの女王に扮した寿美さんの妖艶な美しさは、当時、それはそれは話題になったことでしょう。


大勢の観客の前で“足を出す”ダルマは、観る側には楽しみな衣装でしょうが、着る側には何かと神経を使う衣装です。
足さばきや、ちょっとしたポーズをとる時の足の向きにも、普通の衣装とは違う注意が必要。
腕や背中、ウエストなど、体のラインがすべてわかってしまいます。

いかに美しく見せるか……。タカラジェンヌたちは、日々努力しているのです。


2月 9日

何かと大変、最下級生

最下級生とは文字通り、一番下の学年のことです。
一番下と言っても、入団1年目の研1だけを指すのではありません。
最下級生とは、その公演での一番下。組子全員が出演する本公演では研1になりますが、その他、選抜メンバーによる公演ではそのつど変わります。

“最下級生”という言葉がある以上、最下級生には役割があるわけです。

例えば……稽古場では、稽古で使うセットをタイミングに合わせて出し入れしたり、小道具を上級生に手渡したり、劇団宛てに届いたファンレターを配ったり。
楽屋では、早替りのお手伝いをはじめ、衣装や小道具を忙しい上級生に代わって運んであげたり。

たとえトップスターであろうとも、ヘアーメイクさんや付き人など存在せず、すべて自分でやらなけれ
ばならないのが宝塚。
そのできない部分を、出番もまだまだ少なく時間的に余裕がある最下級生がやるのです。

つまり雑用係りのようなものですが、“上級生をよく見る”“そばにいる”というこれだけで勉強にな
ります。
どんなスターも最下級生を経験し、そこで何かを学んだのです。


公演全体だけではなく「○○の場面の最下級生」などにも使います。
上級生の中に一人ポツンと最下級生で入ったりすると、緊張すると共に、うれしいものです。

“最下級生”=抜擢とも言えるので、ファンの方々も注目します。
「8人口(8名での主にダンス場面)の場面の最下級生、○○ちゃんだね。まだ研3なのに凄い~」なんて。


昔。月組の何かのショーを観ていた時。確かカーテン前のダンス場面でした。
下手の端で踊っていた、まだあどけないけれどキラキラ光っていた美しい男役に「最下級生のあの子、ものすごくイイなぁ~」と思ったっけ。
それは、若かりし頃のゆりちゃん……天海祐希さんでした。
2月 4日

宝塚歌劇団を去るとき

学校は“卒業する”、仕事なら“退職する”……
タカラジェンヌがタカラジェンヌをやめる時は“退団する”と言います。

退団に際して、宝塚ならではのセレモニーが行われます。
その際たるものが、舞台での退団の挨拶。
退団する生徒のほとんどが公演の千秋楽付けで退団するのですが、その千秋楽の舞台上で行われます。
フィナーレの幕が降りると、退団者は黒の紋付と緑の袴に早替わり。
トップスター以下組子全員が見守る中、退団者は一人ずつ大階段を降り、組や同期生からの花束をもらった後、それぞれが自分の思いのこもった言葉で、お客様に向け挨拶をします。

この挨拶は、仲間内だけではなく、これまで応援して下さったお客様に対しての感謝の気持ちとお別れの言葉です。

稽古中も公演中も、同期生や組子、そしてファンの方々が、“退団者のためにしてあげられること”を常に見つけ、温かく接しています。
例えば「真っ白な化粧前」などもその一つで、退団者がよく言う「最高に幸せです!」とは、こうした温かさを感じるからこその言葉。
宝塚歌劇団の生徒が「宝塚って、なんてイイところなんだろ~」と一番強く感じるのは、自身が退団する時かもしれません。

トップスターが退団する公演は、サヨナラ公演と呼ばれています。
演目も退団にふさわしい作品が選ばれ、千秋楽とその前日の2回(トップ娘役は千秋楽のみ)、通常の公演の幕が降りたあと、サヨナラショーが開催されます。


真飛 聖『MATOBU Sei Single Collection』本日より、花組トップスター・真飛 聖さんのサヨナラ公演『愛のプレリュード』『Le Paradis!!』 が始まります。
ゆうさん、トップスターとしての、男役としての集大成を見せてくれるに違いありません。


■ミュージカル・ロマン 『愛のプレリュード』  作・演出/鈴木 圭
■レビュー 『Le Paradis!!』-聖なる時間-  作・演出/藤井大介
・2月4日(金)~3月7日(月) 宝塚大劇場 
・3月25日(金)~4月24日(日) 東京宝塚劇場 
<出演者>真飛 聖 蘭乃はな 他
1月 17日

若手のチャンスの場 新人公演

本公演期間中に、新人公演というものがあります。
新人公演(以下、新公)とは、研7(入団して7年)以下の若手だけで、本公演と同じ作品を上演する公演で、1958年『花の饗宴』より続いています。
この新公は、1ヵ月の本公演の間にたったの1回だけです。
二本立ての場合は通常、お芝居が新公となりますが、まれにショー作品が新公となる場合もあります。

本公演の人数、約80名。それが研7以下だと50名。
俄然、出番も増えますし、初舞台間もない下級生にも役がつきます。
台詞、ダンス、歌……。本公演ではまだまだ与えられないポジションを与えられます。
スターさんが演じる役、ベテランの専科の生徒さんが演じる役など、大役もあります。

主役を演じるのはその作品ごとに違います。学年も決まってはいませんが、その多くは研6や研7あたり。
しかし過去には天海祐希さんが、研1で新公主役(『ミー・アンド・マイガール』ビル役)という異例の抜擢もありました。

演出は、これも若手の演出家が担当します。なので本公演とは弱冠違う場合もありますが、他、台本やセット、衣装や音楽など、本公演とすべて同じ。
また若手だけの公演と言えども、チケット代を頂戴してでの公演です。

新公の全体的のレベルは、そりゃ本公演に比べれば幼いのは当たり前。
しかし中には、本役に負けず劣らずいい演技をする生徒もいれば、新公をきっかけにスターダムにのし上がる生徒も大勢います。
つまり新人公演での成果は、今後の配役を決める上での目安となり、将来トップスターになる素質を持った生徒を見出すきっかけともなるのです。
だからこそ生徒たちは、本公演という本番の舞台に毎日立ちながらも、その開演前や終演後に猛稽古をします。

ファンにとって新公はどんな存在なのでしょう?
未来のスターを発掘したり、新公をきっかけに誰かのファンになったり。
若手のファンにとっては、応援している生徒の活躍する姿を観れるうれしい公演でしょうね。

近日の新人公演
・1月18日 宝塚大劇場 雪組『ロミオとジュリエット』
・1月20日 東京宝塚劇場 宙組『誰がために鐘は鳴る』
(*両方ともチケットは売り切れています)
12月 21日

宝塚×漫画 雪組『ベルサイユのばら』

漫画が原作の宝塚作品をご紹介します!

漫画が原作の作品と言えばまずコレ! というか…宝塚歌劇と言えば『ベルサイユのばら』!

ベルサイユのばら 全5巻セット原作は『週刊マーガレット』(集英社)にて連載(1972年~1973年)されていた池田理代子さん作の『ベルサイユのばら』。

宝塚歌劇で初演されたのは、1974年月組公演。
その後何度となく上演され、これまでの『ベルサイユのばら』観客動員数は、400万人を越えました。

『ベルサイユのばら』上演のきっかけは意外にも「この漫画、宝塚でやって欲しい!」というファンからの声でした。
フランス王妃とスウェーデン貴族の恋。男装の麗人オスカルの存在。フランス革命。ベルサイユ宮殿……
華やかでドラマチックな設定は、宝塚にぴったりでした。

上演にあたり漫画ファンからは「原作のイメージが壊れる」などとブーイングが起きましたが、上演してみたら大ヒット。
そして、元々人気のあった漫画に宝塚が加わり「ベルばらブーム」なる社会現象まで起きました。

アニメ化、映画化され、グッズが売り出され、女子たちはベルばらの虜。
アイドル雑誌をはじめ様々な媒体に宝塚が取り上げられ、中でも榛名由梨さん、鳳蘭さん、汀夏子さん、安奈淳さんらの名前は、宝塚を知らない人たちの間にも浸透しました。

また『ベルサイユのばら』上演によりタカラジェンヌになりたい少女たちが増え、結果宝塚音楽学校の倍率もぐっと上がりました。

そして何より、多くのスターを生み出しました。


『ベルサイユのばら』がヒットした理由は多々ありますが、一つ取り上げると「スピンオフにより色々なベルばらが楽しめる」からでしょう。
「オスカル編」「フェルゼン編」「フェルゼンとマリー・アントワネット編」「オスカルとアンドレ編」に始まり、『外伝ベルサイユのばら』では、「ジェローデル」「アラン」「ベルナール」といった脇役たちが主役となるものも上演されています。

『ベルサイユのばら』はこれからもリメイクされたりスピンオフされたりして、スターを作り、従来のベルばらファンを楽しませ、新しいベルばらファンを作ってゆくことでしょうね。

脚本 植田紳爾
演出 植田紳爾/長谷川一夫(初演時)/谷正純(2001年~)


以下は、本公演で主要4役を演じた生徒たちです(1974年~2006年)

ベルサイユのばら その謎と真実◇オスカル 
榛名由梨/汀夏子/安奈淳/順みつき/紫苑ゆう/安寿ミラ/涼風真世/真矢みき/一路真輝/大輝ゆう/稔幸/彩輝直/大空祐飛/安蘭けい/朝海ひかる/貴城けい/水夏希/霧矢大夢

◇アンドレ 
榛名由梨/但馬久美/麻生薫/瀬戸内美八/麻実れい/大浦みずき/朝香じゅん/日向薫/杜けあき/麻路さき/天海祐希/香寿たつき/湖月わたる/樹里咲穂/彩輝直/安蘭けい/春野寿美礼/瀬奈じゅん/貴城けい/水夏希/立樹遥/柚希礼音

◇フェルゼン 
大滝子/鳳蘭/松あきら/みさとけい/大浦みずき/朝香じゅん/日向薫/紫苑ゆう/麻路さき/和央ようか/湖月わたる/安蘭けい

◇マリーアントワネット
初風諄/高宮沙千/上原まり/ひびき美都/仁科有理/毬藻えり/星奈優里/花總まり/白羽ゆり

12月 15日

宝塚歌劇初観劇のAさんの疑問 その2

さてさて。知人のAさん夫妻、宝塚歌劇初観劇第2弾。

A「びっくり~太ももだらけ~」

……ラインダンスね…

A「よくあんなに高く足があがるのね。きれいに揃ってるし」

きれいに揃っているのが宝塚のラインダンス。
揃えるために、必死の努力努力ですから。

A「それにみんな、足、細いのね~ あれ、アナタもやってたの?」

…やってたわよ……
細くは……ないけど。


A「大きいのにびっくり! まるで孔雀みたい!」

あぁ、フィナーレの羽根ね。

A「あれ、重いんでしょ?」

トップさんのは10kgほどあるわね。
それを背負って大階段を降りるのだから。
トップさんって、どんだけスゴイんでしょ?


そして、2階席で観劇したAさんが1番驚いたのがコレ。

A「エプロンステージって言うの? あそこで踊ってるのに驚いた!」

銀橋でのダンスね。

「カーブしてるでしょ?」
「足あげたり、走ったり…」
「後ろに楽団がいるし」
「落ちることないの?」
「怖くないの?」

そりゃ怖いし、落ちた人(なつめさ~ん)もいる。

もし客席に落ちれば、お客さんが抱きとめて(?)くれるでしょうけど(そんな時はみんな!ギュッと抱きとめるのよ!)、もし楽器だらけのオーケストラボックスに落ちたら大変。

そう。怖いです。
他にも大階段なんていう代物があるし、だってセリだって怖い。
たまにフライングもあれば、ベガ子に乗ることだって。

舞台なんて危険だらけ。
でも、だからこそ、大きな感動を与えることができるわけです。

さて、Aさんはまた宝塚を観に行ってくれるかな?
12月 13日

宝塚歌劇初観劇のAさんの疑問 その1

先日知人のAさん夫妻が、某企業の貸切公演にて、宝塚歌劇初観劇を果たしました。

“初・宝塚”の方々の感想は私にとってとても興味深く、また参考にもなるのですが、今回のAさんの開口一番が……

A「何? 休憩時間の、あのトイレの行列!」

……まずは…そこ…ですか……

A「男子トイレは空いてるのに、女子トイレのすごい列! 階段にまで並ぶなんて…」

見慣れた風景ですけど…

A「女子トイレの数、少な過ぎるんじゃない?」

いえいえ、たくさんありますよ。
でも観客は女子が多いですし、休憩時間はみんなが行きますから、混雑は当たり前というか…。



……で、舞台に関しての最初の感想が…

A「みんな同じ顔しているから、誰が誰だかわからない!」

……クローンじゃあるまいし。
みんな同じ顔なわけないでしょーが。


A「だから、今、誰が話しているのかわからない!」

……いっこく堂さんじゃあるまいし。
口を動かしている人が、話している人でしょーが。


でも、ま、確かに。
あの派手な舞台化粧を見慣れていない人からすると、みんな同じ顔に見えるのでしょう。
ドーランetcの色はだいたい同じだし、基本の化粧法も代々教えられたもの。
1階の前方の席ならともかく、後ろや2階席なら、同じ顔に見えてしまうのも仕方ないかも。

それが宝塚ファンになると、たとえ2階最後列でも、生徒の声はもちろん、シルエットや立ち位置、衣装の豪華さや色で「○○さん」とわかってしまうものです。

そうしたことがわかり始めてきた頃が、ファンになって1番楽しい時期かな?


さてさて。
Aさんの初観劇感想、明日へと続く。


12月 6日

日本物の幕開き「チョンパ」

宝塚花の踊り絵巻現在星組が、久しぶりの日本物のショー『宝塚花の踊り絵巻』-秋の踊り-を、東京宝塚劇場(12月26日まで)にて上演しています。

日本物と言えば、チョンパ。
チョンパとは、幕開きの手法の呼び名です。

「暗転の中、緞帳が上がり、拍子木の“チョン”という音に続いて照明が“パ”っとカット・インする」

と…こんな幕開きに、お客様は思わず「おぉ~」っと声をあげます。

それもそのはず。
真っ暗だった視界が突然明るくなり、そこには色とりどりの衣装をまとった出演者一同がずら~っと居並び、音楽と共に踊り始める…
一瞬にして豪華絢爛な絵巻物の世界。
海外公演でも非常にウケる手法です。

お客様がワクワクするチョンパですが、出演者にとってもとても気持ちのいいもの。

まだ緞帳が降りている中にスタンバイ。
開演アナウンスの後、暗転となり、緞帳が上がってゆく。
客席のざわざわを感じ、ポーズする体も心も引き締まる。
そしてチョンパと共に、お客様の歓声と拍手。

気持ちイイ!
この瞬間、役者冥利に尽きると言いましょうか。

舞台人って、お客様といっしょに劇場の空気を作れるこうした瞬間がたまらなくって、舞台に立っているようなものです。
11月 22日

【ビギナー】様々な公演形態と劇場 地方で

宝塚歌劇は名古屋の中日劇場、福岡の博多座、全国ツアーで毎年定例公演を行っています。
その地元の方々はもちろんのこと、関西・関東のファンの方々も、観劇のために遠出するようです。
その1番の理由は、上演作品が、過去の人気作品の再演や新作など、本公演とはまたひと味違うラインナップとなっているからでしょう。

■中日劇場

1966年開館の翌年1967年より宝塚歌劇を上演するようになりました。
宝塚の上演は毎年2月となっていますが、それが始まったのは1978年。月組公演『風と共に去りぬ』からのようです。また2回ある年もあります。
キャパ1.440席。

●過去5年の上演作品――
2006年 月組『あかねさす紫の花』『REVUE OF DREAMS』
2007年 雪組『星影の人』『Joyful!!II』
      宙組『A/L』
2008年 花組『メランコリック・ジゴロ』『ラブ・シンフォニーII』
2009年 宙組『外伝 ベルサイユのばら -アンドレ編-』『ダンシング・フォー・ユー』
2010年 月組『紫子』『Heat on Beat!』

◇中日劇場へのアクセスは――
地下鉄東山線または名城線「栄」駅より徒歩3分

中日劇場


■博多座

1999年の開館以来、毎年8月に宝塚を上演しています。
キャパ最大1.454席は九州最大級。

●過去5年の上演作品――
2006年 宙組『COPACABANA』
2007年 星組『シークレット・ハンター』『ネオ・ダンディズム!II』
2008年 月組『ME AND MY GIRL』
2009年 宙組『大江山花伝』『Apasionado!!II』
2010年 星組『ロミオとジュリエット』

◇博多座へのアクセスは――
地下鉄「中洲川端」駅直結

博多座


■全国ツアー

文字通り、各地を回るツアー公演。約一ヶ月にわたるもので、年に3回あります。

●過去5年の上演作品――
2006年
雪組 7月1日(土)~『ベルサイユのばら-オスカル編-』
月組 10月1日(日)~『あかねさす紫の花』『レ・ビジュー・ブリアン』
花組 11月4日(土)~『うたかたの恋』『エンター・ザ・レビュー』

2007年
月組 5月22日(火)~『ダル・レークの恋』
雪組 9月15日(土)~『星影の人』『Joyful!!II』
宙組 10月30日(火)~『バレンシアの熱い花』 『宙 FANTASISTA!』

2008年
雪組 5月17日(土)~『外伝 ベルサイユのばら-ジェローデル編-』『ミロワール』
花組 9月20日(土)~『外伝 ベルサイユのばら-アラン編-』『エンター・ザ・レビュー』
星組 11月8日(土)~『外伝 ベルサイユのばら-ベルナール編-』『ネオ・ダンディズム!III』

2009年
花組 5月2日(土)~『哀しみのコルドバ』『Red Hot Sea II』
星組 10月7日(水)~『再会』『ソウル・オブ・シバ!!』
雪組 11月14日(土)~『情熱のバルセロナ』『RIO DE BRAVO!!』

2010年
星組 4月24日(土)~『激情』『BOLERO』
宙組 9月4日(土)~『銀ちゃんの恋』
花組 11月13日(土)~『メランコリック・ジゴロ』『ラブ・シンフォニー』

All About「宝塚ファン」宝塚歌劇 全国ツアー公演 Part1


■海外公演

不定期に海外公演を行っています。
第1回目は1938年(昭和13年)のヨーロッパ公演、1番新しいものは2005年の韓国公演でした。

All About「宝塚ファン」宝塚歌劇 海外公演の歴史
11月 18日

様々な公演形態と劇場―特別公演

宝塚歌劇専用の宝塚大劇場、東京宝塚劇場、宝塚バウホールの他に、近年必ず上演されるのが、梅田芸術劇場メインホール、シアター・ドラマシティ、日本青年館の3劇場です。

■梅田芸術劇場メインホール

毎年7月頃に、主にトップスター主演の一本立て作品を上演しています。
キャパ1.905席。

新作ミュージカルや話題作の再演など魅力的な作品が上演されると共に、アクセスが非常にいいため、宝塚ファンには人気の公演と言えるでしょう。

過去5年の上演作品――

2006年 星組『COPACABANA』湖月わたる主演
2007年 花組『源氏物語 あさきゆめみしII』春野寿美礼主演
2008年 宙組『雨に唄えば』大和悠河主演
2009年 花組『ME AND MY GIRL』真飛 聖主演
2010年 星組7『ロミオとジュリエット』柚希礼音主演

■梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

トップスターや二番手スター主演の作品が上演されます。
キャパ898席。

『相 棒』(テレビ朝日ドラマ「相棒」より)や、鎌田行進曲『銀ちゃんの恋』(つかこうへい氏原作「蒲田行進曲」より)から、『カラマーゾフの兄弟』『赤と黒』といった文豪作品まで幅広く、バウホールと並んで、新しい宝塚の魅力を引き出すラインナップとなっています。

2010年の上演作品――

花組『相 棒』真飛 聖主演
宙組『シャングリラ・水の城』大空祐飛主演
雪組『はじめて愛した』音月 桂主演
月組『STUDIO 54』霧矢大夢主演

◇梅田芸術劇場メインホール・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティへのアクセスは――
・阪急電車「梅田駅」より徒歩3分。
・阪神電車「梅田駅」徒歩10分。
・JR「大阪駅」徒歩8分。
・地下鉄・御堂筋線「梅田駅」徒歩5分。「中津駅」徒歩4分。
     谷町線「東梅田駅」徒歩7分。
     四ツ橋線「西梅田駅」徒歩11分。

梅田芸術劇場


■日本青年館

宝塚バウホールや梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演された作品の中、東京でも引き続き上演されるものがあります。
それを上演するのが日本青年館。
キャパ1.360席
関東のファンにとっては「関西にまで行かなくても少し待てば…」と、有難い存在でしょうね。

2010年の上演作品――

花組『相 棒』真飛 聖主演
月組『HAMLET!!』龍 真咲主演
宙組『シャングリラ・水の城』大空祐飛主演
星組『リラの壁の囚人たち』凰稀かなめ主演
雪組『オネーギン Evgeny Onegin』轟 悠主演
雪組『はじめて愛した』音月 桂主演
花組『コード・ヒーロー』朝夏まなと主演

◇日本青年館へのアクセスは――
・JR中央・総武線「信濃町」より徒歩9分
・JR中央・総武線「千駄ヶ谷」より徒歩9分
・地下鉄銀座線「外苑前」より徒歩7分
・都営地下鉄大江戸線「国立競技場」より徒歩7分

日本青年館


2011年の作品スケジュールはこちら!
All About「宝塚ファン」
2011年宝塚歌劇公演スケジュール
11月 10日

様々な公演形態と劇場―バウホール公演

宝塚大劇場と東京宝塚劇場と並び、もう一つの専用劇場が宝塚バウホール。
この劇場は1978年に宝塚大劇場の隣に作られました。

宝塚バウホールキャパ数は526席。
銀橋も盆もセリも、花道も大階段もオーケストラボックスもありません。
しかしその分客席に近いため、出演者にとってはいい意味での緊張感を持つことができ、観客にとってはどの席からも観やすく、小劇場の空間ならではの良さを出しています。

作品の形態は、約2時間半の一本立てのミュージカルが主。
中にはストレイトプレイに近いものもあり、本公演のような豪華な構成ではありません。
しかし、新しい試みに挑戦できる場にもなっていて、様々なジャンルの作品が生まれています。


このバウホールが作られた主旨は「若手生徒の育成のため」。
よって、中堅~若手が主役を務める作品が上演されています。

後にトップスターとなる生徒は若手の頃、皆このバウホールで主演を務めていて、例えば……女優として活躍中の真矢みきさん(元花組トップスター)は『硬派・坂本竜馬!』の坂本竜馬役で、天海祐希さん(元月組トップスター)は『ロミオとジュリエット』のロミオ役で単独初主演を務めました。

他の出演者たちも抜粋メンバー。
本公演とは違い、誰もが出演できるわけではありません。
時にはオーディションをして出演者を決める場合もあります。

「バウのメンバーに選ばれた!」……
生徒にとってバウホール出演は、スターへの第一関門のようなものです。



劇場へのアクセスと年内のスケジュールは以下の通り。

◆宝塚バウホール
兵庫県宝塚市栄町1-1-57

最寄り駅 
・阪急電鉄宝塚線・宝塚駅
・JR福知山線(宝塚線)・宝塚駅

花組公演
11月13日(土)~11月28日(日)
BOW MUSICAL『コード・ヒーロー』


All About「宝塚ファン」
多くのスターを育てた「宝塚バウホール」
11月 4日

様々な公演形態と劇場―本公演

一年中ほぼ毎日どこかで上演されている宝塚歌劇。
劇場が違えば、公演の形態も変わってきますが、もっとも宝塚らしいと言われる公演は「本公演」(ほんこうえん)と呼ばれています。

芝居(ミュージカル)とショーorレビューの二本立て、もしくは芝居の一本立てが基本で、上演時間は休憩を入れて約3時間。
銀橋、花道、セリなどの舞台機構を使用し、音楽は生オーケストラによる演奏。
大階段を使ったフィナーレ、ラインダンスなど宝塚名物も登場し、出演者の数も約80名と華麗で豪華な舞台構成です。

宝塚大劇場ロビーその本公演が上演されているのは、ホームグラウンドの宝塚大劇場と東京宝塚劇場。
どちらも日本有数の最新設備を兼ね備え、キャパ数2000席を超える大きな劇場です。

本公演は年に10公演。
花・月・雪・星・宙と5組ありますから、各組年に2回ずつ上演されています。
まず宝塚大劇場で上演された作品が、翌月、東京宝塚劇場で上演されています。

初めて宝塚歌劇を観る方には、まずはこの本公演をオススメします。


各劇場へのアクセスと年内のスケジュールは以下の通り。

◆宝塚大劇場
兵庫県宝塚市栄町1-1-57

最寄り駅 
・阪急電鉄宝塚線・宝塚駅
・JR福知山線(宝塚線)・宝塚駅

星組公演
10月8日(金)~11月8日(月) 
・レビュー『宝塚花の踊り絵巻』-秋の踊り-
・ミュージカル『愛と青春の旅だち』

宙組公演
11月12日(金)~12月13日(月) 
・NTT東日本・NTT西日本フレッツシアターミュージカル『誰がために鐘は鳴る』


◆東京宝塚劇場
東京都千代田区有楽町1‐1‐3

最寄り駅
・JR有楽町駅
・東京メトロ 日比谷線or千代田線・日比谷駅
・都営地下鉄 三田線・日比谷駅

月組公演
10月22日(金)~11月21日(日)
・ミュージカル『ジプシー男爵 -Der Zigeuner Baron-』-ヨハン・シュトラウスII世 喜歌劇「ジプシー男爵」より-
・グランド・レビュー『Rhapsodic Moon(ラプソディック・ムーン)』

星組公演
11月26日(金)~12月26日(日) 
・レビュー『宝塚花の踊り絵巻』-秋の踊り-
・ミュージカル『愛と青春の旅だち』


チケット購入方法
10月 28日

すみれの花咲く頃

宝塚歌劇をご覧になったことがない方でも「すみれの花咲く頃」という歌はどこかでお聞きになったことがあるのではないでしょうか…?

「すみれの花咲く頃」は、まさに宝塚歌劇団のテーマソング。
でも実はこの「すみれの花咲く頃」、宝塚歌劇団のオリジナルソングではありません。

すみれの花咲く頃「すみれの花咲く頃」の元歌は、ウィーンの作曲家・フランツ・デーレが作曲し、ドイツ映画の主題歌にもなった「白いニワトコが咲く頃」。
それがフランスに渡り「リラの花咲く頃」というシャンソンとして流行りました。

ちょうどその頃、パリにレビューの勉強のため留学していたのが宝塚歌劇団演出家・白井鐵造。
白井鐵造は帰国後の1930年、不朽の名作と言われるレビュー『パリゼット』を発表します。
『パリゼット』には、訳詩された7曲のパリ流行歌が登場しますが、その中の一つに、白井鐵造が持ち帰った「すみれの花咲く頃」が登場しました。

オーストリア、ドイツ、フランスで愛されたこの曲は、ニワトコ~リラ~すみれとタイトルも変え、宝塚歌劇の「すみれの花咲く頃」として誕生したわけです。

この「すみれの花咲く頃」の大ヒットにより“宝塚歌劇団やタカラジェンヌを象徴する花=すみれの花”となりました。
“すみれ売り”“すみれコード”、“すみれ寮”……
「すみれの花咲く頃」がなかったら、そのような言葉も生まれなかったでしょう。

また、宝塚市の市花もすみれ。
たった一つの歌が、大きな影響を与えました。


「宝塚の舞台では「すみれの花咲く頃」は必ず歌う」と思われる方もいらっしゃいますが、そんなことはありません。
イベントの際に歌ったり、時にはアレンジして壮大なダンスナンバーにしたり。
常に使われる楽曲ではありませんが、まるで、そっと傍で咲いているすみれのように常に身近にある……。
だからファンの方々にも覚えてもらい愛されてきたのでしょう。


宝塚で初めて歌われてから今年でちょうど80年。
バースから始まる流れるようなメロディーと、春の訪れと恋を語った美しい歌詞は、80年たった今でも色褪せることなく、多くの観客の心を和ませています。

10月 7日

“おかき” その1

これこそ宝塚ワードではないかしら? “おかき”。
“おかき”とは、衣装に付いている名札のこと。

なぜ“おかき”と言うのかって……?
小さくて四角い形がおかきに似ているから? 名前を書くから?
……さぁ、謎です。

ひとつの公演の出演者、約70名。
それぞれが、何枚、何十枚の衣装やその付属品を使います。
中には同じ衣装もたくさん。
だから、名札を付けておかないと大変なことになるのですよ。


“おかき”は5cm×3cmぐらいの小さい白い布。
そこに、芸名の苗字だけがマジックで書かれています。
それを衣装部さんがひとつずつ手で縫い付けます。

“おかき”が付いている場所は、吊るしてある時には見える場所、着れば見えない場所。
男役さんの上着なら、後ろの襟元。
娘役さんのドレスなら、胸元か背中の上部。

日本物の着物にも、下着類にも、網タイツにも、背負い羽根にも、帽子にも“おかき”は付いています。
まるで幼稚園児のごとく、すべて名札付き!


そうそう。
本来“おかき”はお客様から見えない場所に付いているのですが、たま~に見える時が。
例えば……
銀橋の上、帽子を脱いで手に持って踊っている……
ちらっと見える白いモノ、それが“おかき”です。
9月 1日

化粧前 その2

今回は、鏡台で使う布製品の化粧前のお話です。

主な4点は、鏡台に並んだ化粧品の上に掛ける“上掛け(うわがけ)”、下に敷く“下掛け(したがけ)”、ティッシュカバー、座布団カバー。

楽屋の化粧前

なぜそのようなものがいるのかと申しますと…化粧品に埃がかぶらないため。鏡台を汚さないため。そしてオシャレのためでしょう。
昔は手拭いなどを使ったのでしょうね。それが今や、サテンやレースで衣装のように華やかな化粧前に。
私が在団中もすでに今のような豪華なものでした。

これを作るのはファンの人。と言っても誰でも作れるわけではなく、生徒さんやファンクラブの代表さんに頼まれた人です。

化粧前は、公演ごとに新しいのを使います。
その生徒さんの好みや作品のイメージなどに合わせ、毎回違う化粧前を作るアイデアと作業は大変なものでしょうね。

サイズですが、共通ではありません。
各劇場によっても鏡台そのもののサイズが違いますし、上級生と下級生によっても使用する化粧前の個数が違います。
使用するもの(ティッシュや座布団)の大きさも違います。

そしてやはり、スターさんや上級生は豪華!
逆に下級生は地味目に。「フリルは何cm以下に…」などファンの方々の間での決まりもあるそうです。

他、化粧前と同様にデコられた楽屋着やスリッパ、座椅子カバー、ポットカバー、おかもちを飾る布なども、化粧前と称し、同じくファンの方が作ります。



生徒は楽屋入りすると、まず上掛けを外し、棚の上に片付けます。
ここから長い、もしくはあっという間の1日が始まります。

縦に長~い大きな楽屋に、大勢の生徒がいます。
横にも後ろにも誰かがいます。
でも、自分の化粧前にいると、とっても落ち着くものです。
集中したい時、考え事をしたいとき、心の中だけでもいいから泣きたいとき……。そんなとき周りにバリアを張れるのが化粧前というスペース。
それは、ファンの方が心を込めて作ってくれた化粧前が、個々の世界、我が家のような空間を作ってくれるからでしょう。

上掛けを掛け、楽屋を出ます。
「今日も頑張れたかな…。明日はもっと頑張るぞ」。
8月 26日

化粧前 その1

「化粧前」という言葉には2つの意味があります。

1つは、楽屋の化粧をするための鏡台のこと。
もう1つは、それに掛ける布のこと。


まずは鏡台の化粧前。

化粧品がずら~っと並ぶ引き出し付きの机。
前面には明るい照明付きの大きな鏡。
その上にはカツラやカゴが置ける棚。

これを化粧前と呼びます。

ひとり1つですが、上級生になると2つ使ってもOK。
上級生になるにつれ置くものも多くなりますから。

もちろん、ドライヤーやら加湿器などが使用できるコンセントも個々に付いています。

宝塚大劇場の楽屋はスリッパを脱いで上がる和室風ですが、東京宝塚劇場やバウホールは椅子です。
いずれにしろ賑やかで華やか。


生徒さんがよく言う「化粧前」は、この鏡台の化粧前でしょう。
「小休憩、化粧前に来てよ~」「マツゲケース、化粧前に置いておいて~」……

舞台稽古の戸惑いも、初日や新人公演の緊張も、千秋楽の寂しさも、公演1ヶ月で感じた多く感動や喜びもみんな知っている…
単なる鏡台ではない、自分の部屋のようなスペースかな。
8月 14日

セリが上がる

舞台上の、上がったり下がったりする部分、それがセリです。
セリが上がる時は「セリ上がり」、下がる時を「セリ下がり」と言います。
それぞれ「○号ゼリ」と呼ばれています。

舞台中央の盆の中に、舞台手前から1号、2号、3号、4号の4つのセリがあります。。
1番大きいのが3号ゼリ。高さも最高4mまで上がります。
また2号ゼリは3分割できます。

花道の付け根に、上手に7号、下手に8号があります。
よくスターさん登場!の際に使うセリです。
ここだけ、歌舞伎と同様に「すっぽん」と呼ぶ場合もあります。

また本舞台上手前に5号、下手前に6号がありますが、今は使っていないようです。


セリは、人を乗せるだけではありません。
大きなセリなど、中にセットを組み部屋に見立てたり、丘に見立てたり、道にしたり……。
さらに盆を回しながら使えば、色々な場面を作れる、転換ができる、とても使い勝手のよい舞台機構です。


下級生の頃、奈落で、セリ上がりする上級生のお手伝いをよくしました。
支度が終わりキッカケとなり、セリに乗り込み、「行ってらっしゃ~い!」と私たち。
「行ってきます」と上級生。
セリが少しずつ上がるにつれ、“上級生の○○さん”の顔がぐっと引き締まり、“スター○○さん”の顔に変化します。

やがて1番明るいスポットライトの中、2000人の観客の熱い視線が待っている…

セリは、スターさんを、さらにスターにするアイテムかな。
8月 6日

盆は回る その2

盆廻りの多い作品は場面転換がスピーディーなため大好きですが、出演者にとっては…それはそれであれやこれや問題が。


まず「乗り降り」に難あり。

“動いている盆に乗る”または“動いている盆から降りる”というのが多いですが、その際必ずかなりの違和感があります。

それでも足をとられないよう滑らかに乗り降りしなければなりません。
盆が右周りなら、進行方向に沿って右足から乗り込みます。

それから、真っ暗な場面での乗り降りも怖い…。
盆と舞台の間にある細い溝も怖い…。


「正面を取りにくい」という点にも難あり。

それぞれ自分にとっての正面…向くべき方向があります。
客席なのか、袖なのか、盆の中心なのかetc…。
盆が回っていると、それがどっちなのかがわからなくなります。

盆の上で踊っている時なんて特に。

花組公演『メモアールド・パリ』の「パッシィの館」、通称・泥棒貴族の場面の際、私、よく言ってました。
「盆は廻る、私も廻る、そしていつしか目が廻る」と…。


ちょっとしたトラウマでしょーか?
今でも、ムービングウォークを乗り降りする時、盆を思い出してしまいますわ…

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元タカラジェンヌ&いち宝塚ファンの視点から宝塚歌劇の魅力をご紹介します。
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