「化粧前」という言葉には2つの意味があります。

1つは、楽屋の化粧をするための鏡台のこと。
もう1つは、それに掛ける布のこと。


まずは鏡台の化粧前。

化粧品がずら~っと並ぶ引き出し付きの机。
前面には明るい照明付きの大きな鏡。
その上にはカツラやカゴが置ける棚。

これを化粧前と呼びます。

ひとり1つですが、上級生になると2つ使ってもOK。
上級生になるにつれ置くものも多くなりますから。

もちろん、ドライヤーやら加湿器などが使用できるコンセントも個々に付いています。

宝塚大劇場の楽屋はスリッパを脱いで上がる和室風ですが、東京宝塚劇場やバウホールは椅子です。
いずれにしろ賑やかで華やか。


生徒さんがよく言う「化粧前」は、この鏡台の化粧前でしょう。
「小休憩、化粧前に来てよ~」「マツゲケース、化粧前に置いておいて~」……

舞台稽古の戸惑いも、初日や新人公演の緊張も、千秋楽の寂しさも、公演1ヶ月で感じた多く感動や喜びもみんな知っている…
単なる鏡台ではない、自分の部屋のようなスペースかな。