これぞ宝塚名物。
シャンシャンとは……フィナーレで出演者たちが大階段を降りてくる際に手に持っている持ち道具のことです。
片手で豪華な飾りの付いているシャンシャン本体を持ちます。
本体の裏側には大きめの金具が付いていて、それをしっかりと握ります。
本体から垂れているリボンをもう片方の手で持ちます。
リボンの長さは2.2m。
この持ち道具は、昭和初期から始まりました。
1950年8月花組公演「アラビアン・ナイト」(白井鐵造・作)の際、持ち道具に付いていた鈴の音から“シャンシャン”と呼ばれるようになりました。
“ロウソクが立っているバラのブーケの形=『ベルサイユのばら』”などと作品によってデザインがだいたい決まっているものもありますが、それ以外は各公演ごとに新しいデザインで作られます。
担当は小道具さんで、出演者約60名~90名ほどのシャンシャンを、すべて手作りで製作します。
シャンシャンを持って激しく踊るということはありませんが、あまり重たいと腕が痛くなります。中には電飾の付いているシャンシャンも多く、電池なども含まれます。
豪華に、軽く、丈夫に……が製作のポイントでしょうか。
リボン付きのシャンシャンを持つのが主流ですが、ステッキや羽根扇、ペンライトなどの場合もあります。
シャンシャンは、自持ち(個々にあてがわれ個々で管理する)の小道具ではありません。
フィナーレ近くになると、舞台袖にシャンシャンが掛けてある台が登場します。そこから小道具さんが渡してくれたり、各自取っていきます。
幕が降り、袖に引っ込めば、まずシャンシャンをその台に返します。
次の公演が始まるまでに、電飾や飾りをチェックしたり、リボンにアイロンをかけたりと、小道具さんは一つ一つメンテナンスをして下さいます。
慣れてしまえば使いこなすのに難しいものではありませんが、「トップさんを迎える際のシャンシャンの高さは?」「リボンはどの辺りを持てばゆったりと美しく見えるか…」「いかにスムーズに左手に持ち替えるか…(舞台下手の人ね)」など、きれいに見せたり揃えるために、下級生のうちは苦労します。
その公演のシャンシャンを初めて目にし、手に持つのは舞台稽古。それもラスト、フィナーレの場面の稽古の際。
「今回のシャンシャン、こんなのなんだぁ~」とワクワク。
あとわずかで幕が開く初日への期待と緊張感を、シャンシャンが教えてくれるようです。
注)シャンシャンと呼ばれる持ち道具が使われていたのは宝塚歌劇だけではありません。SKDやOSKでも同時期より使われていました。
コメント
入り出待ちをしていたら、スターさんのファンクラブ?の団体さんが並んでおられますが、あれのことですか?
あの方々は何の為に集まっておられるのでしょうか?
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