本舞台の前面にオーケストラボックス(オーケストラピット)があります。さらにその前にあるエプロンステージのことを“銀橋”(ぎんきょう)と言います。

銀橋は1931年『ローズ・パリ』(作・演出 白井鐡造)より使用されました。

舞台の両花道を、緩やかなカーブを描いて結んでいます。
幅は約120cm。


銀橋で出演者は、歌い踊り、芝居もします。
前列のお客様だと、もう見上げる感じ。
それほど客席に近いから、お客様に臨場感を与えることができます。

ソロで歌いながら銀橋を渡る……これ、スターさんの特権。
初舞台生のラインダンスや中詰めでは、大勢が銀橋を通ります。
出演者が客席に降りてくる通称・客席降りも、この銀橋から。
ショーやレビューのフィナーレで、出演者が銀橋に出てくる様は圧巻。ゴージャス。

また「本舞台がセット替えをしているから銀橋で」「銀橋を道に見立てて」など、舞台の転換のために使うのも銀橋。
ただ通るだけじゃない、銀橋も舞台の一部なのです。


銀橋に生徒さんが出てくると、ふわ~っと舞台化粧や香水の香りがします。
衣装や持ち道具に付いている羽根が舞い落ちてきたり、時には汗が飛んできたり?
ファンの方にとっては「うっとり」「ドキドキ」してしまう瞬間。

生徒にとって“銀橋に出る”ということは、やはり気持ちのいいもんです。うれしいです。
お客様が楽しんでいらっしゃる雰囲気や温かさが伝わってきます。

それと同時に緊張感や怖さも。どんな些細なことでも、お客様にわかってしまう…と思うから。誤魔化しはききません。

そして…お客様の顔がよ~く見える! かなり後ろの方まで。
生徒さんもお客様をしっかり見ていますのよ~