桜木星子の“宝塚×MAG”

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宝塚歌劇を「知って」「好きになって」「もっと楽しんで」いただくためのMagazine

1月 30日

『ノバ・ボサ・ノバ』の役替り その1

先日、星組『ノバ・ボサ・ノバ』の配役が発表されました。

皆さんも想像していた通り、役替りが行われます。
夢乃聖夏さん、紅ゆずるさん、真風涼帆さんの3名で、“オーロ”“マール”“メール夫人”の3役。二番手格の“オーロ”が入っているとは、現・星組二番手の凰稀かなめさんが2月25日で宙組に組替え直後だからなのでしょう。
この役替りについては、1999年雪組版の組替えと比較してまたお話しするとして……

もう一つの、“マダムガード”の役替りに驚いた方も多いでしょうね。
スターさんや新人ならともかく、毬乃ゆいさん、花愛瑞穂さん、音花ゆりさんといったベテランの娘役さん3名による役替りとは、あまり例がありません。


話は反れますが……私が初めて『ノバ・ボサ・ノバ』を観たのは中学生の頃。安奈淳さんが“ソール”の1976年の花組版でした。
舞台の感動や衝撃と共に、配役にも驚いたものでした。

二番手の役は“オーロ”のはずなのに、花組二番手の松あきらさんは“ルーア神父”で…。
花組トップ娘役は上原まりさんなのに、ヒロインの“エストレーラ”は、男役の祐樹 叶さん(祐樹 叶さんは宝塚で退団。東京公演は美野真奈さん)。
男役の宝 純子さんが娘役をしてる…。明日香みやこさんも女役をしてる…。渋~い麻月鞠緒さんまでもが女役をしてる…。
生徒さんの顔や芸名、「二番手…三番手…」などの番手も覚えた頃の私には「?」だらけでした。
しかし再演物は、“今の○組”のために作る新作とは違うのですから、適材適所の配役をするには、多少番手に逆らうのも当たり前と言えるでしょう。
思えば『ノバ・ボサ・ノバ』では、毎回、柔軟な配役が行われていました。


しかし「柔軟な配役が行われている」=「娘役さんの分が悪い」というのを感じていました。
“シスター・マーマ”や“メール夫人”は、男役さんの役。
ブリーザも、男役さんに付く場合が多い。
娘役は、“エストレーラ”、“マダムガード”、“マダムX”、少年役の“ボーロ”、“ラービオス”ぐらいで、後はひたすら群舞。

元娘役の端くれとしては、いつも思います。「もっと娘役さんに活躍の場ぉ~!」と。
なので今回の“マダムガード”の役替りには愛を感じました。

欲を言えば、“メール夫人”も娘役さんに回してあげて欲しいわ。“ピエロ”だって、娘役さんが入ってもいいじゃない?なんてね。


さてさて「役替り」「八百屋舞台」「黒塗り」など、『ノバ・ボサ・ノバ』ではお話したいことがたくさん。それはまた後日に。



■『ノバ・ボサ・ノバ』歴代配役はこちら!
All About「宝塚ファン」もう一度観たい!再演作品【2011年】

1月 27日

タカラヅカが教えてくれたこと Vol.5

宝塚音楽学校と宝塚歌劇団で学んだアレコレは、一生の宝物。
そんなアレコレをお話します。


「舞台で勝負」

初舞台を踏んで間もない頃、東京宝塚劇場に出演中のことでした。
花組同期全員、ある期の上級生に叱られました。
叱られた理由は、新公の自主稽古のテープ出しだったと思います。
先生抜きで自主稽古をする際、最下級生が音楽のテープを担当するのですが、その時、音を出すタイミングが悪かったらしく…。
私たちなりには精一杯やっていたつもりなのですが、まだまだだったのでしょう。

上級生方の楽屋に伺い、お部屋の入り口で謝っていたら、私たちより少し上の上級生Aさんがいらっしゃいました。そして、私たちと同じく正座をし、いっしょに謝って下さいました。
そして「……でも、彼女たちは精一杯頑張っています!」と、庇って下さいました。
叱られたことより、Aさんの優しさに対し、涙があふれてきました。

その場を離れ大部屋に戻り、泣いている私たちにAさんはおっしゃいました。

「みんな、舞台で勝負しなさい。」と。

たったひと言でしたが、痛いほど伝わりました。

負けるな…
舞台に立つためにココに入ったのだから、いい舞台を務めることだけを考えなさい…
負けるな…

この公演は、Aさんにとって退団公演でした。
退団する間際、大きなものを教え残して下さいました。


どんな社会も、しっくりいかないことは多々あります。
頑張っていても認めてもらえない。
どうしても理解してもらえない。
理不尽に思うこともある。
言いたいのに言うことさえできない状況もあり。

結果、拗ねてしまったり、愚痴だらけになったり、投げやりになってしまったり、やる気をなくしてしまったり、落ち込んでしまったり、誰かのせいにしちゃったり……
よくあること。私もそう。

でもそんな時、Aさんを思い出すのです。
周りを気にせず、自分の大切なこと、信じることを、きっちりしっかりやればいい…と。

それぞれに“私の舞台”があるでしょう。
皆さんの“私の舞台”で勝負して下さいな。



余談)
1年余り前、大浦みずきさんのお別れ会で、Aさんにお会いしました。
20年ぶり? いえ、もっとですね。
同期数名で「あの時はありがとうございました」「あの時のAさん、みんなずっと覚えています」などとAさんにお話したのですが……「えぇ? 私、そんなこと言ったっけ~」と微笑むAさんは、やはり素敵な女性でした。
1月 24日

ル・サンク『タカラヅカスペシャル2010~FOREVER TAKARAZUKA~』


『タカラヅカスペシャル2010~FOREVER TAKARAZUKA~』の舞台写真。

ル・サンク タカラヅカスペシャル2010


◆表紙 轟 悠・真飛 聖・音月 桂・大空祐飛

各場面ごとやスターのアップ写真に加え、あらすじや主な登場人物の紹介も。
作品の感動が伝わる豪華な一冊。

今号は、昨年のタカラヅカスペシャルの特別編集版です。

2011年1月18日発売 価格1.000円
プロフィール

桜木星子

元タカラジェンヌ&いち宝塚ファンの視点から宝塚歌劇の魅力をご紹介します。
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